夜の汽車

制作年1947
制作者ポール・デルヴォー Paul DELVAUX
C.no0059
購入・寄贈年月1981/3/1
材質・技法木板・油絵具
寸法1:height153
寸法1:width210
Work TitleTrain de nuit
作品解説薄暗い駅の待合室。裸婦の存在や写り方のおかしい鏡など、現実ではありえない不条理な世界が描かれています。そこにはうつろな眼をした無表情な女性たちがたたずんていますが、デルヴォーは「私の絵のほとんどに描かれる女性たちは、女神でありミューズてある。」と言っています。1929年、彼は人生を決定づけるアンヌ=マリー・ド・マルトラール(愛称タム)という女性と恋に落ちますが、母親に交際を強く反対され引き離されてしまいます。母親の束縛への反動とタムヘの思いから、彼は同じ顔の女性を繰り返し描きますが、それはすべて彼のミューズ、タムてでした。アンドレ・ブルトンは、彼の作品を「常に心の広大な領域を支配している女の王国」と呼びましたが、彼はまさに絵画を通じて「タムの王国」を創造しようと
したのです。1952年、55歳で彼はついにタムとの結婚の夢を果たします。そして1989年、タムが亡くなると絵筆を断ったといわれています。
(『TAD 富山県美術館 Selected Works from the Collection』p.40)

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