澄みわたる距離

制作年1990
制作者舟越桂 Katsura FUNAKOSHI
C.no1141
購入・寄贈年月1991/3/1
材質・技法楠・着色、大理石
寸法1:height90
寸法1:depth24.4
寸法1:width53.3
Work TitleClarified Distance
作品解説白いシャツに黒いズボンといった、ごくシンプルな服装をしてし、る男性の半身像。顔はわずかな善色と磨きがかけられており、瞳は着色された大理石です。この作品は、シンプルな形態の中に、静謐さと気品を感じさせる舟越の初期の代表作のひとつです。舟越は、家族全員がクリスチャンで、彫刻家の父の影響て西欧の文化を身近に感じて育ちますが、20歳頃に法隆寺の釈迦三尊像を作った鞍作烏(飛烏時代の仏師)や運慶(鎌倉時代の仏師)に出会い、以降仏像への関心を深めたそうです。本作は、あえて人物とみる人の視線が交わらないように制作されています。その効果により、私たちは半身像に無垢な精神が宿っているように感じることができるでしょう。舟越の題名は、作品に「含まれていて、描かれていないことを補完するフレーズだそうてす。「澄みわたる距離」というタイトルが想起させるイメージによって、鑑賞者の心の中で物語が展開するところがこの作品の魅力です。
(『TAD 富山県美術館 Selected Works from the Collection』p.75)

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