苗床と成りめぐる

所蔵番号OH2107a
作品名苗床と成りめぐる
作者岡村緋佐子
主題課題「人口減少:高齢化社会」
解説高齢者を森の中の倒木に例えて描いています。倒れた古い木は森の中で必要な存在です。それは微生物、菌糸類、虫達の住み家となり、やがてそれらの働きで分解され土に還って行きます。そのプロセスで苔類が着床し苗床となり、新しい木の菌が育つ場となり、新たな森を育てる力となります。岡村は、高齢者の人口が増えることをネガティブに捉えるのではなく、経済発展のスローダウンは健康な社会を形成するチャンスと捉え、私たちの考え方が効率主義よりも、更に広く総合的な豊かさを実現出来る方向に繋がるように、願いを込めて倒木を中心とした森の生命の循環を描きました。作品は、この雰囲気を大事にし、優しい風合いが出るように、下地はパステルによって描かれています。その上に、描かれた白い線による細かいフォルムは、生命の力強さを感じさせながら儚さをも伝えてきます。倒木の上には、光が差し込むかのように新しい木の誕生が明るく描かれています。
寸法
展示場所収蔵庫
制作年代2021年7月

PageTop