恵方巻きパニック

所蔵番号FM2204a
作品名恵方巻きパニック
作者藤浪美世
主題課題「ごみと環境問題:食品ロスと食品廃棄」
解説この作品は、大量生産の陰で苦労する人々をテーマにしている。一見恵方巻きの大量廃棄の瞬間を描いているようだが、その形態の動きはある種の構造性を持ち、描かれた恵方巻きの中に「具」として存在する人々は万歳をしているようで落下しながら泣いている。楽しげな恵方巻き文化のお祭り騒ぎが、過重な生産を必要とする労働システムであり、またその大量生産の際に求められた労働さえも廃棄されてしまう姿がこの作品には示唆されている。オイリーな油絵具でコミカルかつ軽やかに描き、油絵具をチューブからそのまま出して盛り上げて飛び散る華やかな具を表現した。わたしたちが普段見過ごしているかのように、問題の深刻さを一見見ただけではわからない。私たちは、生活を豊かにするために、この世界を豊かにするために働けているだろうか。労働力のみとして生きている人の存在を社会は見直さなければならない。現代の大量生産の裏側にあるフレーム化された労働の問題を提起している。
寸法410×318㎜
展示場所収蔵庫
制作年代2022年4月

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