さなぎ

所蔵番号IS2110d
作品名さなぎ
作者岩﨑詩織
主題自由
解説卵の殻を破らねば、雛鳥は死んでいくという、ヘルマンヘッセに影響を受けた作品である。巨大なわたのような生き物のようなこの人物にとっての殻であり、それを今まさに取り払っている状況である。両手な長さの違いによって、地面につけた手に力を感じされる。トンボの羽は幸運を運ぶものとして、海外でよく装飾品として登場する。この作品においてもこの羽化の結末を予想できるように配置されている。それにしても殻を破るという表現は良し悪しが別れるものであると作者は思っている。自らが未熟な時を外敵から守り、健やかに育ててくれる存在であるものも殻であるにもかかわらず、世間はそれを破ることこそが成長の証のような風潮がある。作者はその殻の優しさを感じさせる爽やかな色合いの画面に仕上げた。
寸法A3:W297×H420
展示場所収蔵庫
制作年代2021年10月

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