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根付 蓮葉に蓑亀

作品番号CRZ0247000
作品名ヨミネツケ ハスハニミノガメ
作品名英文Turtle on Lotus Leaf
和暦制作年寛政4年
西暦制作年1792年
寸法 cm4.1×2.5
作家富春
技法・材質鯨の歯
作品解説鯨の歯と思われる材を使い、 蓮葉の裏面に乗る小さな蓑亀を表した根付。 蓮葉の縁が波打つ様子を写実的に表現し、 また蓮葉の葉脈も写実的に浮彫で表現する。 蓮葉の裏面に紐を通す穴をあけ、紐が亀の胎内を通るように工夫している。
 裏面に以下の文字が刻まれている。

干時寛政壬子年也
富春六十歲而彫刻
石見州可愛河青陽堂

 銘によると、寛政4年(1792) 富春数え年60歳で制作したことが分かる。 可愛河は現在の江の川である。 富春の住まいは、 江の川添いの嘉久志(現在の江津市) にあった。 青陽堂は富春の俳号。
 富春は本名清水巌。 石見根付の創始者である。 出雲玉造で生まれる。 江戸に出て木彫を学び、 嘉久志に移り根付師として活躍する。 富春の根付には長文の銘を入れたものが多いが、これは他の地域の根付師達にはあまり見られず、石見根付を特徴づけるものとなっている。
 石見根付は、 石見地方で活躍した創始者の富春から娘の文章女、孫の厳水という系譜で受け継がれて、その後数多くの石見派の根付師たちが活躍している。

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