イヴニング・ドレス
| 作品番号 | CFZ0048000 |
|---|---|
| 作品名ヨミ | イヴニング・ドレス |
| 作品名英文 | Evening Dress |
| 西暦制作年 | 1927年頃 |
| 作家 | ガブリエル・シャネル |
| 技法・材質 | 黒の絹シフォンのワンピース・ドレス。バイアスカット。黒の絹のスリップ。 |
| 作品解説 | 第一次大戦中から、女性が社会に出て働くようになると、彼女たちのライフスタイルも急速に変化した。自らが働く女性であったシャネルは、時代のニーズを的確に読み取り、ジャージーを用いたカーディガン・スーツを皮切りに、次々と新しいスタイルのドレスを発表する。彼女の提案したドレスは、着やすさや動きやすさだけでなく、徹底して装飾を排した簡素さを特徴としていた。 本作品も、黒い絹のスリップに黒のシフォンを重ねた、潔いまでに簡潔な構造のドレス。低めに設定されたウエスト部分にバイアスカットの2重のシフォンが取り付けられ、不規則な裾のラインを作り出している。さらには、右腕の下の部分にもバイアスカットの生地が取り付けられていて、左右非対称のつくりとなっている。これを着用した場合、身体の動きにあわせて、ドレスにとりつけられたシフォンが流れるような動きを見せる。 1920年代、ジャズ・エイジといわれる豊かな時代に流行していたのは、ビーズや刺繍による過剰とも言える装飾を施した、派手な色彩のきらびやかなドレスだった。そうした時代にシャネルが提案したのは、本品のように全くミニマルな衣服であり、これは新しいエレガンスを体現していた。「リトル・ブラック・ドレス」とよばれるこのドレスは、発表されて以来古びることなく、現在も女性のワードローブには欠かせないアイテムとなっている。 |