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カフタン

作品番号CFZ0004000
作品名英文Caftan
和暦制作年大正8年頃
西暦制作年1919年頃
作家ダゴベルト・ペッヒェ
技法・材質絹に色を濃淡にぼかした縞模様プリント「レインボー」。
作品解説19世紀末から20世紀初頭にかけて、ウィーンでは新しい芸術のありかたを創造しようとする動きがウィーン分離派を中心に起こった。その流れを受け、1903年に設立されたウィーン工房は、「万人のための芸術」をモットーに、生活すべての場に新しい芸術を浸透させることをめざした。芸術と生活の美的な融合を目指した同工房は、建築空間からそこで使われる家具、什器、衣服までトータルにデザインした。1911年エドゥアルト・ヨーゼフ・ヴィンマー・ヴィスグリルがモード部門を設立。続いてテキスタイル部門も創設された。
 1915年よりウィーン工房の中心的な出資者となったオットー・プリマヴェージとその妻ウージェニーは、同工房の中心人物であったヨーゼフ・ホフマンに、チェコスロバキア、モラヴィアに彼らの別荘を造るよう依頼した。プリマヴェージ夫妻は、ホフマンを通じてグスタフ・クリムトを知り、クリムトは頻繁に彼らの別荘を訪れている。本作は、プリマヴェージ家が所有していたものであり、このようなカフタンは、彼らの別荘を訪れるアーティストによって着用されていたのかもしれない。テキスタイルデザインは、ウィーン工房のデザイナー、ダゴベルト・ペッヒェによるもの。本作の制作者は不詳であるが、ウィーン工房においては制作者個人の名前を出すのではなく、ウィーン工房の制作としていた。ほぼ正方形のテキスタイルを2枚接ぎ合わせたきわめて単純な構造の衣服であるが、堂々とした風格すら感じられる一点である。

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