アントワープ港の眺め

作品番号OJZ0227000
作品名ヨミアントワープコウノナガメ
作品名英文View of Antwerp Harbor
作品名原文Vue du port d'Anvers
和暦制作年大正12
西暦制作年1923
寸法 cm170.0×224.0
作家藤田 嗣治
技法・材質油彩・カンヴァス
形状額装
作品解説藤田の父は陸軍軍医であり、森鴎外の同僚であった。幼い頃から画家を目指していた藤田の進路について、父は鴎外に相談し助言を得ている。東京美術学校西洋画科に入学した藤田は、黒田清輝の教室に学んだ。卒業後、1913(大正2)年に26歳でフランスに留学する。モンパルナスにアトリエを構え、後にエコール・ド・パリと呼ばれるようになる画家仲間たちと交友した。1920年代初めには、日本的な要素を油彩画に取り入れ、白い下地に黒く細い線で輪郭線を描き、淡彩を施す独自の技法を作り上げた。
 本作品はベルギー北西部、アントワープ港の17世紀頃の風景。アントワープの銀行家の依頼により制作された。当時、人気の出てきた藤田の特徴である白い下地と薄塗りの色彩、墨によるぼかしや細い線描がみられる。藤田は、ルーベンスらが活躍したこの時代のアントワープを描くため、山のような資料を買い込んで仕事にとりかかったという。古い西洋絵画の雰囲気もあわせ持つ不思議な魅力の作品である。

PageTop