皇国地神五代ノ国

分類美術工芸
縦(cm)36.60
横(cm)23.20
時代江戸 明治三十一年製
西暦1898
作者橋本周延
解説 天の岩戸から天照大神が姿を表した場面を描いています。長鳴鳥(鶏)を登場させるなど、『古事記』の記述に忠実な反面、記述されていない蜃気楼が海上に現れているのは不思議です。四日市は、江戸時代より蜃気楼の名所として知られ、浮世絵にもしばしば描かれているのですが、作者は、四日市を神話の舞台とみたのでしょうか。いずれにせよ、海沿いを舞台としていることに変わりはありません。
 制作年代は日清戦争の直後、明治三十一年ですから、いわゆる国家神道の色彩が濃くなっていた時代でした。この作品の制作背景に、当時の政治情勢が影響していることは確かですが、それとともに、この蜃気楼についても興味深い考えを提示してくれます。

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