醍醐の花

分類美術工芸
縦(cm)52.00
横(cm)57.00
作者伊藤小坡
解説花見の席で、従者の差す朱い傘の下、扇を手に持つ若い女性を描いています。頭に掛けた被衣(かつぎ)には、唐草模様が軽快に施されています。又、衣の緑と襟の朱が補色の効果を高めて強く目に焼き付きます。紫に金の扇子は、この女性の気品を感じさせます。醍醐の花見は、豊臣秀吉の開いたことで良く知られています。傘の桐紋は、豊臣の家紋であるため、自ずとその身分を想像できます。わずかに開いた口元に扇をよせて見つめるその瞳の先に、誰が映っているのでしょうか。ほのかな桜とは対称的に衣に施される鼓や花の精緻さも作品の妙です。

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