ベカブネ 収蔵№329

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ベカ舟

資料名(ヨミ)ベカブネ
地方名ベカブネ、ベカ、ノリトリベカ
収蔵番号000329
使用地海、浦安
公開解説山本周五郎の『青べか物語』で一躍有名になった舟で、東京湾の漁船の中では最も小さい。もとは海苔とりに使用する舟(ノリベカと呼ばれる)であったが、戦後は貝とりにも使用されるようになった。貝とり兼用船を浦安では「コシタブベカ」とも呼び、ノリベカよりも型が大きく、舟の縁を頑丈にするため、コベリ、フナコベリと呼ぶ部分が加わっている。海苔柵の間隔が4尺(約1.2m)で、その中に入って作業を行うため、ベカ舟の幅は、海苔とり舟で3尺(約90㎝)、貝とり兼用船で3尺1寸5分(約95㎝)となっていた。
 海苔とり専用のベカ舟は、マキ船や打瀬船など、大きな船に載せて漁場へ行くこともあり、当館の舟の展示室では、マキ船に載せた形で展示している。屋外展示場にある乗船用のベカ舟はコシタブベカで、舟大工技術保存会により製作されたものである。
<「ベカ」の語源>
 来館者の質問で最も多いものの一つに、「なぜベカ舟と呼ぶのか」という「ベカ」の語源についてのものがある。いくつかの説があるが、最も有力な説は文政13年(1830)に記された『嬉遊笑覧』(喜多村信節著)に記されているものである。そこでは「ヘカはヘコというと同く軽細の義と聞こゆ。(中)舟は薄板なればヘカヘカする意にてもあるへし。薄きものの撓み(たわみ)やすきをヘカヘカといふ」とある。「ベカ」という言葉には、「薄い」とか「細い」とい意味があり、そのような語源から来た、との説である。
使用年代昭和
キーワード海苔

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