Asama Maru at Anchor

作成年月日(西暦)1930
大分類美術工芸
品質・材質写真
作者名河野浅八
公開解説浅間丸は1929年9月に就航した日本郵船の客船。船内は英国クラシック様式を基調として世界各国の最高級品で装飾され、従来の客船とは一線を画す豪華さであった。同年10月、横浜からホノルル経由でサンフランシスコまでを12日と7時間46分で航行して当時の最速記録を樹立すると、到着したロサンゼルスで一般公開を行い、2日間で1万5千を超える観覧者を集めたという。ロス在住の浅八は、この一般公開に参列した可能性がある。もちろん本作は1930年作であり、かつ群衆でごったがえす一般公開時に船体が撮影できたとは考えにくいが、当時の浅間丸の評判は日本人として誇らしかったに違いなく、その勇姿を留めるためにわざわざサンフランシスコ港を再訪した可能性は高い。構図としては、船首によって画面が直線的に区切られたところへ、船体の白線や曲面、係船ロープ、排水など、いくつもの孤が散文詩的に呼応し合う。微妙なバランス感覚が流石であるが、緻密な構成美に辣腕を発揮する浅八の作品群の中では、まず浅間丸の姿を写したいという記録写真的な動機が比較的強く感じられる作品である。
一般に公開1

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