UNTITLED 01-A

分類別検索野外彫刻
所蔵者宇部市
資料名(ヨミ)
資料名(日本語)UNTITLED 01-A
Document NameUNTITLED 01-A
作者前田 哲明 MAEDA Noriaki
制作年2001
設置場所真締川公園西・寿橋付近
材質ステンレス、アクリル樹脂、ステンレスワイヤー、FRP樹脂、鉄
サイズ180cm×180cm×900cm
重量3000kg
出展第19回現代日本彫刻展 大賞(宇部市賞)Grand Prize (Ube City Prize)
作品解説【作者コメント】街の雑踏から逃れ、ふと耳を澄ますと、それまで感じとれなかった物音が聞こえてくるような気がする。
それは、そよぐ風でも鳥たちの囀りでもなく、その場所に脈々と息付いている何か、得体の知れないもの。おそらく、それは大地から。
祈りにも似た気持ちで、地球の根源にあるものを考える、大地にもきっと訴えたい何かがある筈である。
大地の発する声を、大空にむかって解き放つことがもし出来るとすれば、きっと、そこに一体感が生まれるかもしれない。

[Creator’s Comment] When you escape from the noise of the city and stop to listen carefully, hitherto unheard sound seems to gradually fill the air. It is not the sound of traveling breeze or twittering birds, but of something unknown but existing and breathing in the place. Perhaps, the sound comes from the earth. The earth must have something to say, like a prayer or a thought towards what exists at the root of the earth. If I can release the voice of the earth to the open air, I am sure I can create a sense of unity.

地面に横たわるように展示されたステンレスと、地面に突き刺さったアクリルの四角錘、2つの部分から構成される。シャープな素材やエッジを効かせた加工によって洗練された印象を与えながら、地面や空につながっていくスケール感をもった彫刻となっている。作品の「大きさ」は、単純に作品サイズをよりどころとしているのではない。地面の起伏を取り込むようにウエーブしたステンレス。おわん状に広がる中央部分は鏡面加工され、そこに映る周囲の景観を包み込む。アクリルの四角錘は、空から大地へと降りてきたように、地中から空へと向かうように設けられる。そして作品全体へとわたる3本のワイヤロープが、見る者の視線を奥へ奥へと引っ張っていく。こうした構成力が作品の「大きさ」を導く。ステンレスは太陽光を反射し、アクリルは内部へと光を透過する。2つの素材を組み合わせたウエーブから光が十分に意識させられる。同時に表面がブラスト仕上げされた四角錘では、内部に光が蓄積されるように見える。ここでは、太陽光を媒介して地面と空とが結ばれている。自然環境にある要素を彫刻が結節する。彫刻と環境-野外彫刻で繰り返されてきた問題を、作者は鮮やかに解答してみせる。
資料ID21607
旧番号173

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