『蝿打』一 (全五冊の内)

資料名(よみ)はえうち
時代江戸時代
世紀17
数量5冊
素材和紙
解説4冊と自序 1冊。犬井貞恕著。寛文 4年(1664)刊。松永貞徳の弟子で貞門二世を名乗る安原貞室(1610~73)の『正章千句』を寛文3年(1663)椋梨一雪が『茶杓竹』を刊行して非難。それに対する駁論の書、つまり貞室側の再反論の書である。『茶杓竹』の批評を再録した上で、一々また反論を附したが、最終的には個人攻撃に堕する。江戸時代初期は俳諧が広く愛好されるようになり、貞門派を脱して談林が登場し、その過程を経て蕉風が誕生するなど、俳諧そのものが大きく転換期した時代であった。作者とされる乾貞恕(1620~1702)は敦賀の出身で、本名を犬井次郎兵衛重次、一嚢軒の別号がある。貞室に学び、その後継者となって花の本三世を称した。『敦賀志』には「鳥居辻小町(現元町)の医師乾某の家より出たる人」とある。49歳まで敦賀にあって既に「敦賀の重次」として知られていたという。京都に移り、また大津に住んで、逢坂山に俳関を構え数十人の俗俳を集め諸国行脚を呼寄せて接待したという。他に俳諧選集『新玉海集』(貞享2年(1685))、『謡曲拾葉抄』などがある。
受入年度平成23年
所蔵館敦賀市立博物館
大分類文芸
中分類俳諧
小分類版本
資料No.0471

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