水戸城下図

資料分類絵画
収蔵No.文庫09934
作品解説この水戸城下図は、幕末の水戸城下図である。また9代藩主・徳川齊昭の蔵書であったことを示す蔵書印「濳龍閣(せんりゅうかく)」が押されており、水戸藩の藩政改革に取り組む齊昭が、水戸城下の現状を把握するために描かせた城下図で、当時の水戸の市中を詳細に記した大変貴重な史料である。この地図の南が上部になっているのは、江戸のある方向を上として描いたためである。文政九年 酒井源五郎喜煕天保元年 十二月 御次詰 皆川吉五郎重風とあり、水戸城下図は、もともと水戸藩第8代藩主・徳川齊脩の治世時代である文政9年(1826)に酒井喜煕(よしひろ)によって描かれたものを、水戸藩第9代藩主となった徳川齊昭が、天保元年(1830)に皆川吉五郎に命じて完成させたものである。
*酒井源五郎喜煕(よしひろ)
伊能忠敬の門人として地理学を学び、徳川齊昭の命で藩内の測量と地図作成を行った。水戸出身の日本画家・横山(よこやま)大観(たいかん)の祖父にあたる。

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