菊池寛 芥川龍之介・久米正雄宛書簡(大正5年8月26日)

大分類書簡
作者菊池寛
解説 大正5年8月26日に、菊池寛が友人の芥川龍之介と久米正雄に宛てた書簡です。
 菊池は大学を卒業した7月、学費や生活費、精神面でも支えてくれた成瀬の父・正恭の紹介で出版社の面接を受けますが、失敗します。そのため、正恭が中学教師の口を探してくれると知ったところ、「僕は中学教師には当分死んでもなりたくない」と強くこれを拒絶します。苦悩の内を友人の久米と芥川に吐露する内容からは、彼らへの信頼の厚さを確認できます。
 宛先の「千葉県一ノ宮一ノ宮館」は、久米と芥川が、創作と余暇の目的でひと夏滞在した場所として知られます。久米と芥川は、滞在中、師弟関係にあった夏目漱石と書簡のやりとりを盛んにおこなっていました。

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