不昧好楽写し菊桐香合

TitleIncense case after Lord Fumai's favorite Raku piece
作家/ Artist小島初代漆壺斎 KOJIMA Shikkosai
制作年江戸時代末期
DateLate Edo period
寸法/ Size(cm)径8.7 高3.5
分類工芸
ClassificationCrafts
分類2漆工
Classification2Lacquerware
作品番号/ Accession NumberCRZ0085000
作品解説松江藩七代藩主松平不昧が、小島初代漆壺斎に命じて作らせた香合である。箱書きによると、豊臣秀吉より拝領した細川三斎所持の菊桐香合を本歌として、不昧が新たに制作させたことがわかる。本歌は、楽焼の初代長次郎作の菊桐香合で、のちに不昧が所持し、不昧の収集品目録『雲州蔵帳』の中興名物之部に記載されているものである。また、同じ香合が30個作られたことも箱書きに記されている。
布着せをせずに上塗りを行う掻き合わせ塗りに仕上げており、桐材の木目が透けて見えている。総体を黒漆地とし、高蒔絵によって菊と桐が蓋表に描かれている。菊と桐は一部重ねて配され、花弁や桐の葉がやや高蒔絵で描割によって表わされている。ふっくらとした器形に施された塗りや蒔絵の細緻な作行きに優美な印象をたたえている。
内刳りは小さく、蓋裏には不昧の銘「一〻」が朱書で記されている。

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