支那服の少女

作品名 よみしなふくのしょうじょ
TitleGirl Wearing Chinese Clothes
作家/ Artist矢田清四郎 YATA Seishiro
制作年昭和2年
Date1927
寸法/ Size(cm)144.0×95.8
技法・材質油彩・カンヴァス
MediumOil on canvas
分類絵画
ClassificationPaintings
分類2油彩その他
Classification2Oil Paintings, etc.
作品番号/ Accession NumberOJZ0277000
備考寄贈
作品解説柔らかな日が差し込む室内。中国の衣装を身につけた少女が憂い顔で窓辺にたたずみ、机上には、彼女の清楚さを象徴するかのように一輪の薔薇が置かれている。花の模様で彩られた壁と重厚な室内のしつらえ、装飾的でどことなく異国情緒を帯びた風情は、明治以降、好んで描かれてきた東洋美人の典型でもある。矢田清四郎は、本作を東京美術学校卒業の年に描いており、おそらくは卒業制作として描かれたものと目されるが、記録に残らず確証はない。数多く残る美校時代のデッサンなどから、学生時代に人体描写の基礎の鍛錬をしっかりと積んだことが知れ、外から室内に差す光で明暗を表すという、この外光派表現特有の構図からは、矢田が美校のアカデミックな教育を堅実に学び、自分のものとして昇華していることがうかがえる。
矢田は、戦後いち早く出雲を拠点に活動し、島根光風会を結成するなど郷土の美術発展に尽力した。また後年は、出雲の「築地松の画家」としても知られ、写実美と清涼感あふれる郷土の風景を描き、独自の世界を築いた。

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