下総国野手村内裏塚真景図

作品名 よみしもうさのくにのてむらだいりづかしんけいず
TitleLandscape (Dairizuka Mound in Note-mura, Shimousa Province)
作家/ Artist高橋由一 TAKAHASHI Yuichi
制作年明治16年
Date1883
寸法/ Size(cm)58.5×87.6
技法・材質油彩・カンヴァス
MediumOil on canvas
分類絵画
ClassificationPaintings
分類2油彩その他
Classification2Oil Paintings, etc.
作品番号/ Accession NumberOJZ0176000
作品解説高橋由一は日本の油彩画を切り開いた先駆者であり、洋画の啓蒙に多大な貢献を果たした画家である。下総国野手村は現在の千葉県にあたり、内裏塚は壬申の乱に敗れた大友皇子の妃が葬られたという伝説のある場所であるが、現在は残っていない。由一が生きた時代の日本では、油彩画は記録的な役割も担っていた。この作品も当時の内裏塚の様子を今に伝える貴重なものといえよう。
この真景図は画面を水平線で区画し、前景に大きく逆光の内裏塚を配し、明るい遠景に点景人物を描いて、空間の広がりを表現している。また描画手順として、遠景から先に描いて完全に乾くのを待ち、その上に徐々に近景を重ねて描く方法をとっている。これは由一の風景画によく見られる特徴である。当時、工部美術学校に画学教師として招かれていたフォンタネージがすでに来日しており、由一はこの画家のアトリエを訪ね、その制作や画論について見聞する機会を持っている。本作の描き方には、油絵特有の明暗法や、濃淡による空気遠近法の表現などにフォンタネージの影響が窺える。

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