鶏図

作品名 よみにわとりず
TitleRooster, Hen and Chickens
作家/ Artist伊藤若冲 ITO Jakuchu
制作年寛政元年頃
Datec.1789
寸法/ Size(cm)101.8×39.9
技法・材質絹本着色
MediumInk and color on silk
員数一幅
FormatHanging scroll
分類絵画
ClassificationPaintings
分類2日本画
Classification2Japanese-style Paintings
作品番号/ Accession NumberXJZ0202000
作品解説伊藤若冲は自宅に数多くの鶏を飼い、その写生を継続することによって自らの個性を確立していった。生涯にわたって、着彩・水墨それぞれに緻密で技巧を凝らした鶏図を遺している。この作品では、鶏を除いた画面全体に薄墨を掃く。片足立ちでバランスを保つ雄鶏は、胡粉と彩色によって、斑紋に彩られた羽が丁寧に描き込まれている。足は胡粉を盛り上げた上に黄色の彩色を塗り、表面の質感を表している。3羽の雛を従えた雌鶏は背後から捉え、雄鳥と同様、胡粉と彩色で羽毛の柔らかさまで丁寧に表現しているが、三角形の安定した構図は雄鳥と対照的である。下半身を突き上げて雄鳥を見やるポーズは何ともユーモラスで、長年鶏の生態を観察し続けた若冲ならではの表現力がうかがわれる。私生活においては一生独身を通した若冲であったが、この作品に描かれる雌鶏には雛を見守る母性が強く感じられ、画面は家族間の温かい愛情に包まれている。若冲による紙本墨画の鶏図は比較的多く知られているが、絹本著色の鶏図は稀少である。

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