撮影:山本糾

エピタフ-円筒状の

TitleEpitaph-Cylindrical
作家/ Artist遠藤利克 ENDO Toshikatsu
制作年平成2年
Date1990
寸法/ Size(cm)300.0×410.0×410.0
技法・材質木、タール
MediumWood,tar
分類彫刻
ClassificationSculpture
作品番号/ Accession NumberXSZ0050000
作品解説遠藤利克は、おもに木や水、あるいは火を用いて、簡潔な形態の彫刻を制作している作家である。
安定したもの、安定した状態を表現したいという遠藤は、円環を「極めて安定した形」として、数多く作品化しており、この作品はその一連の作品群の内の一つである。3メートルの高さを持つこの巨大な円環状の物体は、磁石のコイルに擬してつくられており、それを見つめる者を引きずり込むような力を秘めている。また、木や、その表面に痕跡を残す火を、これ以上還元できない安定した物質として、さらには「大地と直結する物質」として捉え、素材としている。単純な形態であるにもかかわらず、ミニマルアートの作品と一線を画しているのは、作家が選んできた素材の力強さによるものだろう。木は黒々と焼かれることでその物質感をますますあらわにし、火は木の表面にしっかりと跡を残している。これらは、なんの象徴的機能も持たない「本質的」あるいは「原始的」な要素そのものとして見る者の前に投げ出されているのである。

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