略歴・解説 | 1899年(明治32)、大阪に生まれる。父親は福島区野田で鉄工所を経営していた。14歳頃より写真を始める。森露月に日本画を学び、上京。1918年(大正7)、東京の私立女子美術学校(現・女子美術大学)日本画科専科を卒業。以後、独学で洋画と写真に取り組む。1926年(大正15)7月、単身渡米し、サンフランシスコのカリフォルニア州立大学分校カリフォルニア・スクール・オブ・ファイン・アーツで絵画を学ぶ。同じ頃、女性写真家コンソエロ・カネガの助手となる。1928年(昭和3)、ニューヨークで写真家ニコライ・ムレイに肖像写真を学ぶ。翌年2月帰国し、第3回国際写真サロンに入選。1931年(昭和6)、大阪堂島ビル3階に商業写真スタジオを開設(以後、市内で数回移転)。1943年(昭和18)より終戦まで新劇女優・山本安英を撮影。1950年(昭和25)、大阪の浜地病院別館内に山沢写真研究会を設立、後進の指導を行う。1955年(昭和30)、大阪府芸術賞を受賞。1960年(昭和35)頃、商業写真家としての仕事をやめ、アブストラクト写真への取り組みを本格化。1962年(昭和37)より写真集『遠近』、『私の現代』などを出版。国内外で個展や浜地和子との二人展を開催。1972年(昭和47)および翌年、「日本の民芸」をテーマにした個展を開催。1994年(平成6)、伊丹市立美術館にて回顧展。1995年(平成7)、96歳で死去。2019年(令和元)、西宮市大谷記念美術館と東京都写真美術館で回顧展「山沢栄子 私の現代」開催。 |