渡唐天神図(惟肖得巌賛)

ふりがなととうてんじんず(いしょうとくがんさん)
作品名 英表記Tenjin Visiting China
作家情報不詳 unknown
制作年室町時代
制作年 西暦15世紀
員数1幅
材質・技法紙本着色
形状掛幅装
大区分絵画
中区分東洋画
小区分中世日本
法量 縦95.7
法量 横34.2
法量 高さ
指定
署名・年記等
作品解説 渡唐天神とは、菅原道真が一枝の梅花を携えて、中国の杭州径山興聖万寿禅寺の仏鑑禅師無準師範のもとへ参じ、その問答が優れていたことから伝法の証として法衣を授けられたという説話に基づいて描かれたもの。この説は、民間に根強く普及していた天神信仰を借りて教えを広めようとした、新興の禅宗教団によって作られたと考えられている。これらの図の制作者は不明であるが、賛者は高名な五山僧らである。
 賛者惟肖得巌は、備後もしくは安芸の人。足利義持の特命により相国寺に迎えられ、多くの僧に学芸面で感化を与えた。渡唐天神の姿は、典型的な作例通り直立正面向きに描かれている。襟や袖先、裾には金泥で忍冬文様が施され、口唇、袈裟袋、梅花に朱彩が認められるが、全体に落ち着いた表現である。顔貌は特に留意して制作したと思われ、筆の扱いに習熟した画工の手になるものと推測される。年記により、本図は伝存する渡唐天神図としては最初期に位置することが判明する。
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