太刀 銘弘次

よみたちめいひろつぐ
資料ID35026
時代平安
実物・複数別実物
指定県指定文化財
解説平安時代末期頃に製作された太刀です。長さは85.6センチ、反りは3.2センチです。昭和33年(1958)には新潟県指定文化財となっています。茎(なかご)には目釘穴と呼ばれる穴が1つあいていますが、これは刀身と拵をつなぐためにあけているものです。また、佩裏(はきうら、刀を下にして右側の面)に「弘次」という銘が刻まれています。弘次は平安時代末期の備中青江派の刀工と考えられています。備中青江派とは、備中国青江(岡山県倉敷市)で刀剣を製作するようになった刀工の一派のことで、安次、恒次など「次」の字を使用する刀工が多いようです。青江派は作風の変化から、鎌倉時代中期頃までは古青江、鎌倉時代末期頃は青江または中青江、そして南北朝期頃のものは末青江とそれぞれ区別されており、この太刀は古青江に分類されます。なお、この太刀には妙高山で怪物を退治したという言い伝えもあり、そうした点でも興味深いものです。

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