越路栞

よみこしじのしおり
資料ID35007
時代江戸
実物・複数別実物
解説越後の地誌。作者不詳。「神社の部」、「寺院の部」、「名所の部」、「旧跡の部」(上)、「旧跡の部」(下)、「人倫の部」、「山の部并川の部」の7冊。『越後名寄』や『越後名所誌』をもとに再編集した本と考えられる。挿絵は『越後名所誌』と同様なものが多いが、「寺泊之遊女初君」など、それにない図もある。初君(はつきみ)は鎌倉時代の寺泊の遊女。永仁6年(1298)、佐渡へ流される冷泉為兼(れいぜいためかね)が寺泊で船待ちしていた時、「物思ひ越路の浦の白浪も、立ちかへるならひありとこそ聞け」と詠んで失意の為兼をなぐさめた。後に許されて都に帰った為兼は、勅撰(ちょくせん)を命じられた『玉葉(ぎょくよう)和歌集』にこの歌を採録して初君の情にむくいた。

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