市川団十郎の熊坂長範(岐阜県)

法量(幅)㎜504
法量(高さ)㎜358
公開解説 九代目市川団十郎(団洲)演じる熊坂長範は、伝説上の盗賊で、美濃・尾張国に出没して旅人を襲ったといわれている。長範は、承安4年(1174)に、東北へ向かう富豪を、美濃国青墓(現・岐阜県大垣市)で襲ったが、源義経に討ち取られたという逸話がのこっている。後世には、謡曲「熊坂」や歌舞伎「熊坂長範物見松」など、脚色され劇化された。
 はめ込み絵は、飯島光峨の描いた「涼み提灯」である。細い骨をもちい、薄い紙を張った火袋に絵を描く提灯は、岐阜の名産品であったが、幕末期の混乱のなかで一度は衰退した。明治11年(1878)に行われた明治天皇の岐阜行幸をきっかけに再興され、はめ込み絵を描いた飯島光峨・柴田是真・川端玉章など、当時の一流絵師たちに下絵を依頼したという。この絵は、現在確認されるなかで、再興された岐阜提灯を描いた最も古い絵画資料であり、その特徴がよく表れている。

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