助高屋高助の秩父庄司重忠(埼玉県)

法量(幅)㎜504
法量(高さ)㎜358
公開解説 描かれているのは「壇浦兜軍記」の一場面で、明治13年(1880)4月に市村座で上演された時には四代目助高屋高助が秩父庄司重忠を演じた。
 舞台は、平家が壇ノ浦に滅び、その残党詮議が厳しい京・堀川の評定所である。平家の侍大将・悪七兵衛景清の行方を尋問するため、その愛人である遊女・阿古屋が連行される。取り調べを行う源氏方の重忠は、拷問の代わりに、阿古屋に琴・三味線・胡弓を演奏させた。もし嘘をついているのなら音が狂うはずと考えての詮議だった。少しの乱れも無い調べを聞いた重忠は、阿古屋は本当に景清の行方を知らないと判断し釈放する。押絵になっているのは、この「琴責め」の場面である。
 はめ込み絵は川端玉章の描いた「玉川晒」である。秩父庄司重忠の名前から、埼玉県の演目として「壇浦兜軍記」が選ばれたのだろうか。

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