バルセロナチェア
制作/発行 | ルードウィッヒ・ミース・ファン・デル・ローエ |
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制作年代 | 1929年設計 |
解説 | ローエの代表作ともいえる「バルセロナチェア」は、1929年バルセロナ万国博覧会のドイツパビリオンのためにデザインされたものである。このパビリオンは、スペイン国王と王妃による開会式の会場でもあったことから、彼は国王夫妻を迎えるための玉座として特別に用意したのである。X型のフレームは、エジプトや古代ギリシャの支配者たちの権威の象徴であるはさみ型の折りたたみ式椅子や、馬車のスプリングなどからヒントを得たものではないかと推測され、その形状は優雅である。 当時のオリジナルモデルは、フレームはクロームメッキの平鋼性で交差部で溶接され、左右両側は同じ径の貫で接合されていた。座面と背面は、革ベルトの上に白い山羊側が張られたクッションがのせてあった。その後、接合部は何度も変更され、1948年には、クロームメッキの平鋼は研磨仕上げの特殊鋼に取って代わられた。 精緻な溶接や一枚一枚縫い合わせた皮革の角にボタンをつけた縫製、鏡面仕上げの研磨など手間のかかる手作業のため高価だが、「国王夫妻のための椅子」というステータスシンボルの意味合いからか、大企業の役員室やロビーなどに置かれる場合が多い。最近では、テレビのCMやドラマ、映画などで頻繁に使用され、その影響で日本でも一躍有名になった。 |
所蔵館 | 九州産業大学美術館 |