アームチェアDAR

制作/発行チャールズ イームズ
制作年代1950
解説「アームチェアDAR」の原型は、イームズ夫妻とエーロ・サーリネンが協働で設計した、原寸大の石膏モデルである。イームズ夫妻は、最初材料に合板を想定していた。しかし、成形工程中に材料の伸びがなく、立体的な複合形を作るには、前加工で成形された細い帯状の単板を連続的に人手で並べざるを得なかった。そのため大量生産に不向きと判断し、この方法を断念した。そこで、成形合板の技術の可能性を追求し、座と背を2つに分けた方式に切り替え、ハーマンミラー社で合板と金属を組み合わせた椅子を生産した。
1948年に、再びシェル構造の研究を始め、自動車のフェンダーのような鋼板の絞り加工を使いシェルを作ったが、この工法では、コストがかかりすぎることがわかり断念した。1950年に、ゼニス・プラスチック社のガラス繊維強化プラスチックでできたクリスマスツリーの台を見てシェル成型を可能とする方法を発見した。この方法では1組の型で成型できるため、コストも安くできた。
彼らは、そうして作った三次元のシェル成型の本体に視覚的に対比する細いクロム鋼棒の足を取り付け、軽快で新しい感覚を示す椅子デザインにまとめ、機能性の厳しい追及と新材料を適用した。椅子デザインの発展と革新に大きな役割を果たした。
所蔵館九州産業大学美術館

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