チューリップチェア

制作/発行エーロ サーリネン
制作年代1956
解説サーリネンは建築界ばかりではなく。イームズ夫妻との結びつきによって、アメリカの家具デザインに多大な影響を与えた。
「チューリップチェア」は、彼が50年代の半ばに開発した一連のチェア、スツール、テーブルなどの中のひとつである。この椅子の特徴は、1本脚に台座のつくペデスタイル構造でできていることである。彼は、テーブルと椅子のセットを考えた時の脚の乱雑さを、少しでも少なくすっきりと整えたいと考え、ラッパ形の脚座にワイングラスのような1本脚を持つ椅子を開発した。1本脚上部にはFRP製のシェルがのる。座面のクッションは着脱可能である。
彼は全てをFRPで作ることを望んだが、強度の問題で脚にはアルミニウムが使われている。しかし、樹脂コーティングをほどこしてあり、一見同一素材に見える。「将来、1つの素材でこの椅子ができればいいんだが」という彼の希望はいまだ叶えられず、今日でも脚部と座部を6本の金属ネジでとめるオリジナルの形態のまま生産されている。
所蔵館九州産業大学美術館

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