ダイアモンドチェア

制作/発行ハリー ベルトイヤ
制作年代1952
解説50年代の椅子は座部を三次曲面にすることで盛んに試みられた。
ほとんどのデザイナーが成形合板で試みたのに対し、ベルトイアはスチールロッドの線材によるシェル構造で三次曲面を試み、「ダイアモンドチェア」を完成させた。あらかひめそれぞれの形に曲げられたスチールロッドを、当初は一本一本手作業で溶接するためコストがかかったが、のちに数多いロッドを同時に溶接する新技術を開発した。ロッドの表面をビニール系の塗装でコーティングしているため、金属の硬質感がなく、軽快なイメージがあり、屋外でも使用できる。座面のパッドは、着脱可能である。彫刻家らしいオブジェのような椅子でありながら、曲線の美しさばかりでなく、的確なサイズや快適性など、機能面でも優れている。
この椅子は、ノール・インターナショナル社で製品化された一連のワイヤーチェアのひとつで、他に「スモールダイアモンドチェア」や「サイドチェア」、「チャイルドチェア」などがある。
所蔵館九州産業大学美術館

PageTop