草花図大皿

タイトル(よみ)そうかずおおざら
作家テオドール・デック Theodore Deck
制作年1870年代後半-1880年代前半
寸法4.4×30.3×30.3cm
員数1
解説 テオドール・デックは、フランス陶芸のジャポニズムの時代を代表するアーティスト・ポターである。初期にはルネッサンス期の作品や中近東の美術から着想を得ていたが、1870年代から東洋美術に関心を向けはじめる。彼のファイアンス作品のなかには、中国や日本の鋳物の形や装飾を再現したものもみられる。フェリックス・ブラックモンとの協力関係のなかで日本美術に接したとされ、そこから得た動物や植物のモチーフをファイアンスに使用している。また、日本の織物や陶磁器から幾何学模様や同形反復などの図案を創出し大皿などに用いている。ブラックモン、ラシュナルとの交流を通じ、フランスの近代陶芸確立に貢献した。
 本作品は、画家ルイ・スタインハイルの絵付けによるもので、<L.S.>のサインが付されている。スタインハイルは歴史、風俗、肖像、植物画などを得意とする画家。壁画も手掛け、またステンドグラスのデザイン、絵付けにも優れた作家である。フィリップ・ティエボー氏によれば、デックは優れたデザイナーであると同時に画才にも恵まれ、絵付けを担当する画家への要求は高いものであった。本作品は、デックの指揮下にスタンハイルが絵付けをおこなったものである。草花の的確な描写にスタンハイルのこだわりが窺える。

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