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トランスフォーム

タイトル(よみ)とらんすふぉーむ
作家ガブリエル・ハイン Gabriele Hain
制作年2000年
寸法高7.3径11.1
員数1
解説 ガブリエール・ハインはリンツ産業芸術大学にて陶芸を学んだのち、デンマークのビング&グランデールにて5年間、レジデンスを行った。ここで彼女は北欧から大きな刺激を受けたと語り、事実彼女の作品には北欧的な繊細さが備わっている。そして1980年代から「オーストリア現代陶芸」といった種のほとんどの展覧会に選出されるようになり、独特の磁器世界を披露し続けている。 
 ハインにとって、器とオブジェに優劣の差はなく、それぞれを半年毎に制作しているのだという。これは、多くの現代陶芸家が、オブジェ制作をメインとしながらも生活のために器制作を行っている現状を鑑みると、珍しいタイプの作家であるといえるだろう。また彼女は作品を制作する際、一貫して「薄さ」をテーマにしている。透明で透き通ったものに感銘を受けるので、陶器ではなく磁器制作を続けているのだ。また彼女は、使用を目的として制作した場合、それらに「Cup」というタイトルをつけるが、円柱形の作品は「Transform(トランスフォーム)」と名付け、機能性を問わないオブジェ作品として考えているという。
 本作品は2000年に制作されたハインのTransformの一つである。この作品はスプレイにて釉薬を施す際、青い長方形の部分に覆いを被せ、マット感が残るように制作された。この鮮明なブルーの長方形は、白色円柱に作品の深みを増すためのアクセントとしてきいている。1230℃で焼成され、涼しげな透明感が表現された本作品は、磁器の特徴を充分に活かしている。

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