千点紋食器一式

タイトル(よみ)せんてんもんしょっきいっしき
作家門工房 Mon Kobo
窯名門工房
制作年1962年
員数10
解説 1962年、山田光は八木一夫他2名とともに自工房に「門工房」を設立した。工房名の「門」は八木の命名による。「門工房」は手作りによる良質の日常食器を廉価で制作することを目的とした。デザイン、制作、生産管理一切の責任を主宰者の山田が引き受け、八木は主にデザインを提案、他2名は制作助手という態勢でスタートし、作品には「門」の刻印が記された。しかし八木は1年程で門工房から手を引き、他のメンバーも絶えず入れ替わることとなる。「門工房」の活動は実質的には山田一人が継続し、作品の印も自ずから「光」に変わった。
 山田にとって「門工房」は、彼のクラフト運動の理念と実践を示す象徴であり、制作の内実は62年の創設時から最晩年まで変わることなく続けられた。
 「千点紋食器」は、歯車の歯に黒の顔料を付け、轆轤と歯車の回転を利用して紋様を施すというアイデアを八木が提案したこところから制作に至った作品。特に本作品は、山田と八木の双方が共同で取り組んだ作として「門」の刻印が記されており、62年の「門工房」発足当時の状況を伝える貴重な作例である。

PageTop