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曲線文扁壷

タイトル(よみ)きょくせんもんへんこ
作家加守田章二 Kamoda Shoji
制作年1970年
寸法45.4×20.5×16.0cm
員数1
解説 加守田章二の生涯は49年間という短いものであったが、その二十数年間の制作活動のなかで、目をみはるべき多彩な作風で独創的魅力に充ちた仕事の数々を残した。60年代半ばにかけて完成された須恵器風灰釉作品に続いて、土器風本焼作品や銀彩陶器が制作され、この本焼土器により陶芸作品として初めて高村光太郎賞を受賞した。このことに加守田は自信を得て、その後も曲線彫文、彩陶、彩釉へと作風を展開していく。このような加守田の仕事は、彼が師事した富本憲吉が提唱する創作陶芸の教えを受け継ぐものであり、旺盛な制作意欲によって多様な変貌を重ねながら、彼独自の創作陶芸を出現させてきた。
 本作品は曲線彫文に属する作品だが、単なる焼き締めの作品ではなく、素地に耐火度の高い土で化粧掛けし、本焼後にこの化粧土を落としたものである。耐火性の化粧土を掛けて焼成するため、火が直接素地に当たらず、その結果つやや照りのない器肌が生まれている。成形はすべて手びねりで、作品を埋める凹凸の波状文は面取りの多い器形とともにこの作品にリズムを生み出している。1970年3月の日本橋高島屋での個展には、遠野に本拠を移してから制作された曲線彫文の作品群が発表されている。本作品は曲線彫文の作品群のなかでも非常に大きく、しかも隅々にわたる細緻な造形によって緊張感あふれる作品となっている。

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