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白磁大壺

タイトル(よみ)はくじおおつぼ
作家富本憲吉 Tomimoto Kenkichi
制作年1941年
寸法27.0×36.1×36.1cm
員数1
解説 富本の50年におよぶ作陶活動の根底に一貫しているのは、自らの個性を表現するため、制作の端緒から主体的に形や模様を生み出してゆくという理念であった。特にマイヨール作の小像に感銘した富本が「厚く柔らかく白磁釉を壺に用いて一種の特殊なものを造ろう」と考え、白磁の壺の形を以て「一切ゴマカシのない純一さ」を追求したということから、彼の造形に対する明確な意識と意気込みを伺い知ることができる。
 本作品は、富本の東京時代(1926年~46年)の後期に制作されたものである。この時期、富本は白磁、染付を主体としながら各地の窯場に学んで色絵など作域を広げ、独自の形と創作模様を完成する。自らの才能を旺盛な制作によって開花させた時期に、白磁の代表的な作品も多数生まれているのである。 「富本白磁」との異名をもつ独特の肌合いを有し、最大級のスケールを保ちつつ悠然と立ち上がる本作品は、富本の白磁大壺の白眉のひとつとして位置づけることができよう。

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