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上絵金彩山水図皿

タイトル(よみ)うわえきんさいさんすいずさら
作家瓢池園 Hyochien
窯名瓢池園
制作年1881年(明治14)
寸法3.3×19.9×19.9cm
員数1
解説 瓢池園は、ウィーン万国博覧会(1873)への出品物製造のため、政府が浅草に建設した博覧会事務局付属磁器製造所を前身とする、「東京絵付」の中心的陶画工場である。製造所の事務官だった河原徳立は、博覧会終了後も官立の模範工場として製造所を存続するよう上申したが聞き入れられなかったため、自ら陶画工を連れて瓢池園を設立した。
 瓢池園も博覧会事務局付属磁器製造所同様に、素地を瀬戸や有田などから購入し、それに絵付を行う陶画工場であったが、その作風は非常に絵画的なものであった。河原徳立が「専ラ美術的精品ヲ造リ絵画ト違ハザルヲ勉メ大ニ声価ヲ博シ世ニ所謂瓢池園風ノ淵源ヲナセリ」と記すように、瓢池園は陶磁器の絵付をいかに絵画に近づけるかを目標として追求し続けた。この絵画的であることこそ、「東京絵付」を名乗った瓢池園の作風であり、特徴だった。
 本作品では千積石翠という画工によって、江戸後期の画家谷文晁の絵が皿に描き込まれ、陶磁器の絵付を絹本上の絵画に近づけようけようとした瓢池園の特色がよく表れている。制作年として赤絵で記される明治14年には第二回内国勧業博覧会も開催され、当時の資料ともなる作品である。

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