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UNTITLED,1995

作品名(原題)UNTITLED,1995
作家金子潤 Jun Kaneko
制作年1995年(平成7)
寸法78.0×108.0×66.0cm
員数1
解説 金子潤は、アメリカ前衛陶芸のリーダーであるピーター・ヴォーコスらに陶芸を学び、アメリカ現代陶芸界で頭角を現した作家である。ネブラスカ州オマハにアトリエを構え、アメリカを中心に国際的に活動し、日本の現代陶芸界にも大きな刺激を与えてきた。 
 金子の日本への大きな影響が始まりだしたのは、1981年のギャラリーたかぎ(名古屋)での「パラレルサウンズ」あたりからとされるが、やはり1983年から84年にかけてのオマハ・プロジェクトの成果が決定的であった。それはオマハの煉瓦製造工場にある巨大なドーム状焼成爐を利用したプロジェクトで、金子はこの時、巨大なDANGOと呼ばれる作品群を、数多く制作している。1992年から94年にかけて、金子は、フリーモントのオールド・キャニオン・ロードにあるミッション・クレイ・プロダクツで、さらに大規模なプロジェクトを実施した。それは、二つの巨大な窯を用い、30トンの陶土と延べ12,000時間の制作時間を費やしたもので、高さ11フィート、8フィートそして6フィートのDANGOが、総計24個制作されている。もちろん金子の表現は、そのスケールばかりで評価されるものではない。鮮烈な色彩効果、ダイナミックな形象の加飾、豊かな空間性などは、金子の独自のもので並び無い達成を示している。
 本作品は、通常の縦長のDANGOとは異なる、横長のWIDE DANGOとされるタイプのもので、スケールは金子としては、やや小型の4フィートタイプのもの。このWIDEタイプの収蔵例はなく、金子の特徴的な濃紺のドット・パターンの加飾も鮮やかで、きわめて強い効果を生んでいる。

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