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碧釉貼文手壺

タイトル(よみ)へきゆうはりもんてこ
作家河井寬次郎 Kawai Kanjiro
制作年1965年
寸法24.5×16.5×14.0cm
員数1
解説 河井寬次郎の仕事は、初期(1913~25年)の写しの時代、中期(1926~45年)の民藝運動の中心的担い手として活動した時代、そして「不定形の時代」あるいは「造形の時代」と称される後期の奔放な自己表現の時代(1946~66年)に大きく分けられる。
 本作品は最晩年に現れる碧釉による貼文手壺である。碧釉は比較的深みのある重厚な色合いで上がり、造形への原初的な意志と深い釉の味わいが融合した作品である。胴部の両面に施された貼付文はそれぞれ典型的な河井の模様である。
 貼付文との組み合わせで最も多用された釉薬は呉須、次いで辰砂である。この手の貼付文の登場は昭和33年からであるが、碧釉は最晩年の昭和36年頃から登場する。したがって碧釉の貼文は極めて少ない。
 また河井は初期中期に緑釉を使用しているが、晩年、再び緑釉を追究し独特の青味を多様な表情で出すことに成功した。もっぱら造形に身を入れた晩年の寬次郎であるが、碧釉の追究によって新たな色彩表現を実現している。
 本作品は造形の時代の河井の釉薬へのこだわりを示す一作である。

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