森の声

タイトル(よみ)もりのこえ
作家ゲスレル=ガルツイ・マリア Geszler-Garzuly Maria
制作年2005年
寸法60.0×38.0×5.0cm
員数1
解説 ゲスレル=ガルツイ・マリアは、1941年、ブダペシュトの音楽一家に生まれた。ハンガリー応用美術大学のチェコフスキー アールパード氏のもとで陶芸を学び1965年に、陶芸の学位を得た。国際陶磁器展美濃での入賞はもちろんのこと、台湾の陶芸ビエンナーレでも入賞するなど国際的な活躍が目立つ彼女であるが、とりわけ日本とのかかわりは深い。1999年には信楽の陶芸の森で滞在制作を行い、浮世絵をモチーフとしてプリントする作品も数多い。
 マリアの作品の特徴は、人の形や窓枠のような形のうえに、心象風景など情緒的な加飾が施される点である。こどもたちの肖像のうえに飛行機の図を重ね、戦争の悲惨さを訴えたり、有刺鉄線に囲まれた工場の絵柄により、産業の発達とともに人間性が失われていくことがあるという危惧を表現したりしているのである。
 本作品は、《The Sound of the Forest》と名付けられた作品で、上下に帯状の折り返しがある陶板である。自身で撮影した写真からシルクスクリーンでプリントし、その後手描きで模様を加える。ガス窯で強い還元により1,360℃で焼成した。この加飾は源氏物語にささげるオマージュだとマリアは言う。

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