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花絵扁壺

タイトル(よみ)はなえへんこ
作家河井寬次郎 Kawai Kanjiro
制作年1957年頃
寸法34.0×30.0×22.0㎝
員数1
解説河井寛次郎は民藝運動の中心的担い手として知られる。その仕事は、初期(1913-25年)の写しの時代、中期(1926-45年)の民藝運動の中核として活動した時代、後期(1946-66年)の奔放な自己表現の地平を拓いた造形の時代に大きく分けられる。
本作品は、辰砂で描かれた「花絵」が鮮やかに映える逸品である。花に葉をあしらった草花文は河井の得意とする文様であるが、なかでも特に花が強調され中心に配されたものは「花絵」と呼ばれる。初期の写しから脱し、民藝に専心する中期の河井は、用の美を追求する一方で独創的な文様や力強い形を生み出している。型成形はとくに中期から多用されるようになり、本作品は中期の傑作「白地草花絵扁壺」(1939年作。1957年ミラノ・トリエンナーレにてグランプリ受賞)と同じ型が用いられている。この型による作例として「呉須筒描双手文扁壺」「白地草花図扁壺」の2点が1957年頃の作として知られ、本作品は後者に図柄と筆致が極めて近いところから、同時代に制作されたと推定される。(河井寛次郎記念館 鷺珠江学芸員の報告による。2004年2月23日)
当館では河井の作家としての独自性が顕著にあらわれる中期から後期に焦点をあてた調査を進めてきた。現在当館が所蔵している2点「三色扁壺」「碧釉貼文手壺」は、それぞれ晩年の河井の造形的特徴を示す典型的な作例である。本作品は、河井が中期に確立した代表的な形を生かして、力強く潔い筆致で図柄を施した一作である。

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