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WORK-96A

タイトル(よみ)わーく 96A
作品名(原題)WORK-96A
作家三島喜美代 Mishima Kimiyo
制作年1996
寸法136.0×90.0×75.0㎝
員数1
解説三島喜美代は、50年代はじめアンフォルメルの影響を受け、雑誌や新聞紙を画面に切り貼りした平面作品で注目を集めたが、1971年頃より、やきものにそれらの雑誌や新聞を転写する表現に取り組み始める。当初、英字新聞をシルクスクリーンの手法で転写するなど版画の技法を用いたが、それは当時陶芸の世界では新鮮なものとして受け取られた。またそれはジャンクアートやファウンドオブジェなどの量産工業製品や廃棄物をそのまま提示する現代美術の傾向にきわめて近似しているが、それらはレディメイド、つまりものそのものではなくやきものであるという点で、すぐれて独自性を表明している。新聞、パッケージ、チラシや広告塔、漫画本などマスメディアで大量に印刷され、瞬く間に消費され廃棄されるものが、やきものという形で恒久的に封じ込められるのである。近年は素材の土として日常のゴミを高温焼成して出来る溶融スラグとタイル工場の廃土を用いるなど、制作のプロセスそのものにもメッセージを込めようとしている。
本作品は新聞と漫画本をエンラージしたもので、三島の典型的な作例である。

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