黄瀬戸大壷

タイトル(よみ)きぜとおおつぼ
作家安藤日出武 Ando Hidetake
制作年2003年
寸法41.2×26.5×26.0㎝
員数1
解説岐阜県多治見市で代々窯業を家業とする仙太郎窯の3代目に生まれる。家業を手伝っていた22歳の時に、父を訪ねてきた加藤陶九郎に美濃焼の制作を勧められ、桃山古陶に打ち込むことになる。自ら山中をリュックを担いで歩き回り、窯跡で見つけた陶片から土の使い方や意匠、焼き方を学ぶ。師匠を持たず、先生は歴史と陶片と語る。ガス窯では桃山古陶は実現できないと、原点に返る必要を感じて桃山時代の太平古窯跡の近く、可児市久々利柿下の原野で起伏そのままに半地上式の穴窯を築く。6昼夜かけて薪を1500束燃やし、桃山様式と同じ穴窯を使った方法で焼成に臨む。東濃地域の土とこの穴窯で美濃焼を追求し続け、独自の領域として切り拓いた「古美濃」は「古淡の域」と高く評価されている。自然の土を山野に探し求め、自然との語らいのなかで安藤は陶の道を探り、焼成技法を追求して自然の姿を作品に宿そうとしている。
 本作は平成15年、岐阜県重要無形文化財「黄瀬戸」保持者に認定されたのを記念する個展に出品された作品。穴窯で数日間にわたって焼き抜く安藤の黄瀬戸の到達点を示す作品である。

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