麦踏

TitleTreading Barley Plants
作家名小茂田青樹 OMODA Seiju
技法・素材彩色、絹
制作年1919
制作年(和)大正08
寸法縦(cm)42.00
寸法横(cm)59.00
作品・作家解説小茂田青樹[おもだ・せいじゅ]
1919(大正8 )年 彩色、絹、軸 42.1×49.5cm

青樹は前年の院展で自信作が落選したのを契機に、現在の所沢市山口にある金乗院の庫裏に一人籠って一心不乱に政策に打ち込んでいました。その付近で取材した後継でしょう。山里の畑で手ぬぐいを被った農夫たちが無心に麦踏をしています。麦踏は麦の生育を助けるために早春に寒風をついて行われる農作業です。寒さに耐えながら黙々と働く農婦たちの姿に、自らの境遇を重ね合わせて共感したのでしょうか。一見、油絵と見間違えるように塗り重ねられている緑青の緑と群青の青が美しく響き合う画面には一種寂しい陰影をはらんだ心に染み入るようなしみじみとした詩情が漂っています。この頃の青樹は、脆弱な日本画の画材で洋画に負けない実在感のある表現を模索していました。翌年の院展で入選を果たした風景画3点のうちの1点で、研鑽の成果が結実した当時の代表作です。

小茂田青樹[おもだ・せいじゅ] 1891(明治24)―1933(昭和8)
松本楓湖(ふうこ)の安雅堂画塾に入門。同門の速水御舟と互いに研さんしあい、日本画の革新に大きな役割を果たす。今村紫紅の率いる〈赤曜会〉(せきようかい)の結成に参加。1921年〈再興院展〉同人となる。清澄な詩情あふれる風景画の他、写実と装飾を融合させた新しい近代の日本画を追求した。

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