一本刀土俵入り(舞台装置原画)

TitlePlan of Stage Setting for Ippongatana Dohyoiri 
作家名小村雪岱 KOMURA Settai
技法・素材彩色、紙
制作年1931
制作年(和)昭和06
寸法縦(cm)8.50
寸法横(cm)42.50
作品・作家解説小村雪岱[こむら・せったい]
1931(昭和6) 彩色、紙 8.5×42.5cm

戯曲『一本刀土俵入』は長谷川伸の代表作で、相撲取りになり損ねてばくち打ちとなった駒方茂兵衛(こまがたもへえ)が、かつての恩人お蔦を救う人気の股旅物(またたびもの:とばくをしながら旅をする主人公の物語)。二幕五場で、昭和6年7月に東京劇場で初演されました。人情味あふれる物語に現地取材を重ね合わせた雪岱の舞台装置も好評で、明治座(昭和19)や歌舞伎座(昭和32)の再演でもこの装置が使われました。なかでも、繊細な写実描写の中にわびしげな風情がただよう安孫子屋の場が名装置といわれています。雪岱の舞台装置は、役者の特徴や照明の効果にまで細やかな配慮があり好評で、大正13年から亡くなるまでの間に200本以上の仕事を手がけました。大道具や小道具の構成や配色を指示したこのような見取図を道具帳といいます。

小村雪岱[こむら・せったい] 1887(明治20)―1940(昭和15)
東京美術学校日本画科選科で学ぶ。伝統絵画の研究や浮世絵の影響につちかわれた繊細な美意識を発揮し、本の装丁、新聞や雑誌の挿絵、歌舞伎や新派の舞台美術など幅広い分野で人気を博した。いずれの仕事も、近代的に洗練させた江戸情緒と、大胆で機知に富むデザイン性をあわせもったモダンな感覚にあふれている。

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