落葉

TitleFallen Leaves
作家名小村雪岱 KOMURA Settai
技法・素材彩色、絹
circac.
制作年1924
制作年(和)大正13
制作年(推定) 
寸法縦(cm)45.00
寸法横(cm)35.00
作品・作家解説小村雪岱[こむら・せったい]
1924(大正13)頃 彩色、絹 45.0×35.0cm
 
《青柳》《雪の朝》とともに、日本橋界隈の四季の風景を描いた肉筆画三部作のうちの1点です。他の二作と同様に、隣家の二階から見下ろしたような視点でとらえた構図が雪岱独特で印象的です。書斎に文机が置かれただけの清楚なたたずまい。庭には小紋柄のように一面に紅葉が散り敷かれています。まるで役者の出を待つ舞台を見るような美しい光景です。根っからの意匠家である雪岱は、実景を写実するのではなく、どこまでも彼の理想とする心象の風景に組み替えて描きます。そして写実以上にその美の本質を鋭く抽出してみせるのです。この作品でも、余白を生かした簡潔で斬新な構図と繊細細緻な描線で、今は失われてしまった江戸、東京の暮らしと季節の情緒を詩情豊かに伝えています。挿絵、装丁、舞台美術に傑出したデザイン力を発揮した雪岱の真骨頂をうかがわせる一作です。

小村雪岱[こむら・せったい] 1887(明治20)―1940(昭和15)
東京美術学校日本画科選科で学ぶ。伝統絵画の研究や浮世絵の影響につちかわれた繊細な美意識を発揮し、本の装丁、新聞や雑誌の挿絵、歌舞伎や新派の舞台美術など幅広い分野で人気を博した。いずれの仕事も、近代的に洗練させた江戸情緒と、大胆で機知に富むデザイン性をあわせもったモダンな感覚にあふれている。

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