秋の静物

TitleStill Life in Autumn
作家名高田誠 TAKADA Makoto
技法・素材油彩、カンヴァス
制作年1940
制作年(和)昭和15
寸法縦(cm)80.30
寸法横(cm)100.00
作品・作家解説高田誠[たかだ・まこと]
1940(昭和15)年 油彩、カンヴァス 80.3×100.0cm

高田誠は師である安井曾太郎の影響を強く受けていましたが、次第に行きづまりを感じるようになり、それを打破しようと苦心するうちに、1938年の《湖畔秋色》あたりから、その後の特色となる点描が始まります。きっかけは対象の形態をつかみ、画面に調子を与えるのに適していることからでした。「はっきり点描が目立ってきたのはこの年あたりからだと思います」と言うように、この作品は彼の点描技法が模索期を経て本格的になってきた頃の代表的な力作です。後年と異なり四角で大きめな点が連なっています。冬瓜(とうがん)や葡萄(ぶどう)、栗や吾木香(われもこう)などの秋の静物を置いた卓上を上から見下ろすようにとらえ、緊密な画面構成によってみずみずしく確かな存在感をもって描かれており、若き日の作者の熱い意気込みが伝わってきます。

高田誠[たかだ・まこと]1913(大正2)-1992(平成4)
1929年浦和中学校在学中の16歳の時に二科展に初入選。その後安井曾太郎に師事し、36年安井が〈一水会〉を創設するとともに参加。やがて文展、日展に出品し受賞を重ねる。78年日本芸術院会員、87年には文化功労者に選ばれる。長年、埼玉県美術家協会会長として埼玉県の美術振興につとめた。

PageTop