石川島

TitleIshikawazima
作家名跡見泰 ATOMI Yutaka
技法・素材油彩、カンヴァス
制作年1930
制作年(和)昭和05
寸法縦(cm)72.80
寸法横(cm)93.00
作品・作家解説跡見泰[あとみ・たい]
1930(昭和5)年 油彩、カンヴァス 72.8×93.0cm

石川島は、江戸時代に造船所が開設された隅田川河口の工業地帯です。かすむ遠景には工場を思わせるシルエットが浮かんでいます。その一方前景は、柔らかい陽光に包まれているのが感じ取れます。逆光でとらえた船体の重いイメージに対して、水面に明るく反射する光が効果的に映えています。1924年にフランス遊学から帰国した後の制作であり、フランスで学んできた印象派の空気や水に反映する光の表現方法に挑む姿勢がみられる作品です。また安定した構図と重量感ある描法には、西洋の伝統絵画を模写することによって修得した風格も感じ取れます。

跡見泰[あとみ・たい]1884(明治17/東京都千代田区)―1953(昭和28/埼玉県さいたま市)
東京美術学校で黒田清輝に師事し、〈白馬会〉会員となる。文展にも第1回展から3年連続して受賞。〈白馬会〉解散後、〈光風会〉創立会員として参加。1922年渡仏して、サロン・デ・ナショナルやサロン・ドートンヌに出品。帰国後さいたま市に転居。安定した構図と重厚な筆致に、印象派の光と影の表現をとりいれた画風で知られる。

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