青の中の黄色い丸

TitleYellow Circle in Blue
作家名瑛九 Q Ei
技法・素材油彩、カンヴァス
制作年1957
制作年(終)1958
制作年(和)昭和32
制作年(和・終)昭和33
寸法縦(cm)116.50
寸法横(cm)80.00
作品・作家解説瑛九[えいきゅう] 
1957-58(昭和32-33) 油彩、カンヴァス 116.5×80.0cm

瑛九は具象画を描くことから出発しましたが、1935年頃から41年頃まで実験的な表現に没頭します。40年代後半になると西洋の近代美術の研究をし、印象派の明るい光に満ちた表現、荒々しい筆使いによる色彩豊かなフォーヴィスム、形を分解したキュビスム等の方法を試みています。その後、具象的なモチーフにとらわれない独自の絵画に向かうことになりました。この作品は、微細な点でカンヴァスを埋め尽くした、晩年の作品群の先駆けをなすものです。青の中に散りばめられた黄、赤、橙(だいだい)等、色彩豊かな大小の円形の数々は、宇宙的で流動的な空間をつくりあげています。57年から58年にかけて瑛九は、エアー・ブラシによる吹き付けを用いた作品や、円形の図柄を様々に変貌させる作品を制作しています。

瑛九[えいきゅう] 1911(明治44)―1960(昭和35)
本名は杉田秀夫。日本美術学校で絵画を学ぶ。16歳から美術評論を始める。1936年フォトグラムの作品集《眠りの理由》を刊行し、この時から“瑛九”のペンネームを使用。51年に〈デモクラート美術家協会〉を結成。戦後の日本の美術において、先駆的役割を果たした。

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